子どもたちの『抵抗』をめぐる対話
80年前に子どもたちが書き残した「言葉」と出会うワークショップ
わたしはどう受け止めるだろう
この世界にどう響くだろう
ナチ・ドイツの強制収容所テレジン(現在のチェコ共和国)には約14万人のユダヤ人が捕らえられていました。家族と引き裂かれ、外界から隔離され、死の恐怖と隣り合わせの日々を過ごしていました。その中に約15,000人の子どもたちがいました。
テレジン収容所L417棟1号室の少年たちは、隠れて秘密の雑誌を発行していました。「我らが先導する」(Vedem ヴェデム)と名づけたその雑誌に、不安や怒り、喜びと悲しみ、楽しかった日々の思い出や未知なる世界への憧れを書き、詩を創作します。信念と希望に満ちた思いも記しました。
多くの子どもたちがこの後、アウシュヴィッツ絶滅収容所などに送られて殺害されます。しかし、少年たちが2年間で書き上げた約800ページの雑誌は戦後発見され、今日まで世界で多くの人々に読み継がれています。
今の世界に少年たちの「言葉」はどう響くでしょう。
問うこと、対話することからはじめる小さな平和実践ワークショップを皆さんの学校や地域で開催しませんか。
"彼らの目的は ぼくたちの体も心もほろぼすことだ
そんなことはさせない、決して
文化的な生活をうばわれても
ぼくたちはまた新しい文化をつくりだそう"
ー1942年12月25日 Vedem 2号より
開催してみませんか
〇中学生、高校生の総合学習、人権学習に
〇教育専攻の大学生のアクティブラーニング
〇教員研修に
〇PTAや地域の学習会に
進行案
▷アクティブラーニングを取り入れた2時間バージョン
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アイスブレイク
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問いづくり
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歴史と出会うービデオ上映、朗読、歴史解説
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哲学対話
▷90分バージョン
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問いづくり
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歴史と出会うービデオ上映、朗読、歴史解説
実施日
実施日を第三希望までお知らせください。調整して折り返しお返事いたします。オンラインでの実施も可能です。
時間
1時間30分~2時間 ※応相談
料金
以下のような目安を設けています。すべて当NPOの非営利活動に充てさせていただいています。ご理解、ご協力を賜りますようお願いいたします。
〇学校の場合
例)会場までの移動と授業の時間の合計
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4時間以内25,000円(税別)より
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4時間以上30,000円(税別)より
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宿泊を伴う場合50,000円(税別)より
〇自治体、その他の場合
50,000~100,000円 (税別、応相談)
※交通・宿泊費は別途実費の支給をお願いいたします。
※ご用意いただく料金は、講師個人ではなく、当NPO法人宛にお願いします。源泉徴収は不要です。
ご用意いただくもの
パワーポイントによるスライド上映が行えるように以下の機材のご用意をお願いします。
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プロジェクター
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ノートパソコン(Powerpointを搭載のもの)
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スクリーン
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マイク(ワイヤレスのハンドマイク)
教材ビデオの視聴のご案内
少年の一人を父に持つララ・ハンナ・ブレイディさんが、秘密の雑誌VEDEMについて語るビデオを下記よりご視聴いただけます。お気軽にご支援いただける応援チケット(1,000円)からご用意をしていますので、ぜひお申込みください。
映像ハイライト
参考図書のご案内
少年たちの秘密の雑誌VEDEMは下記の図書で紹介されています。ぜひお手にとってみてください。
日本語版
テレジンの子どもたちからーナチスに隠れて出された雑誌『VEDEM』より
林幸子編著(新評論刊)
英語版
We Are Children Just the Same
Vedem, the Secret Magazine by the Boys of Terezin
Zdenek Ornest, Kurt Kotoucほか編著
ご参加いただいた皆様からの感想より
様々な角度から問いが作られるのをみて、たった一文からこんなにたくさん発想を広げられるのだと気づきを得た。また、当時の少年たちが残した言葉を朗読してみて、すごく心が動いた。鋭い洞察や、優しさや、生身の人間として収容所の中で感じている痛みなど。(10代)
生死と向かい合わせの緊迫した暮らしの中でも、人らしく生きることを諦めない、希望を持って生きようとする意思が雑誌の言葉から伝わってきました。彼らの意思と言葉は、戦争が他人事ではない今を生きる私たちに向けられている、と感じました。」(20代)
テレジンの少年たちが作った雑誌「Vedem」の言葉から、悪への抗議、生きることへの強い意志が伝わってきました。リレー形式で朗読すると、さらに熱を帯びて、時空を超えて自分に向けられたメッセージのように感じられました。歴史に学ぶことが無力に思えるほど痛ましい昨今の状況だからこそ、断ち切れない憎悪の連鎖や報復行為にどのように「抵抗」していくかが切実に問われていると思いました。(50代)
テレジンでその時を生きていた少年たちの言葉に出会えたことに感謝します。そして、問いづくりでは自分では思いつかなかった「誰に向けたメッセージなのか」という問いが心に引っ掛かり、その問いを持って最後まで考え続けました。途中の朗読も、体を通して考えてみるという試みが面白かったです。毎週金曜日のテレジンの夜をふと感じました。(40代)