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読書会『忘却に抵抗するドイツ』


2013年からほぼ毎年、ドイツの「記憶の文化」をテーマに学習会を実施しています。今年も、『忘却に抵抗するドイツ』著者・岡裕人さんがドイツのフランクフルトから参加してくださいました。

今回は、有志の大学生4名との読書会というスタイルで。戦後75年が過ぎ、歴史がますます遠ざかるなかで、どんな風に記憶を繋いでいくことができるか。学生たちに自分のこれまでの歴史との出会いについて振り返りながら語ってもらいました。

75名の参加者のうち、過半数が10~20代でした。多くの方々から寄せられた感想を下記にご紹介します。

●学生さんたちが話す言葉一つ一つが自らの体験と結びついていて面白かったです。

 

●濃密な2時間でした。大学生の真摯な態度、高い問題意識に打たれ、一気に熱を帯びた企画になったと思います。オンラインだと70名という大勢の参加が可能になるので、戦後75年という節目の年への関心の高さも感じました。

 

●色んな方の意見を聞けて面白かったですし、パネリストの方々がハキハキ自分の意見を言っておられてすごいなと思ったし同じ大学生とは思えませんでした(^_^;) オンラインのイベントに参加したのは初めてでしたが、予想を超え面白かったのでまた参加してみようと思います。

 

●とても有意義な2時間でした。さっそく岡さんの本と、途中学生さんがお勧めしていた『「ホロコーストの記憶」を歩く』、そして『若者から若者への手紙』を購入してしまいました!私は教職課程を履修しているので、教育学部の学生の話やそれに対する岡さん、石岡さんのフィードバックはとてもためになりました。というかそもそも、学生の皆さん学がありすぎて素晴らしいですね…私ももっと勉強しようと思いました!最後の岡さんの「ホロコーストは、人の心の中に「誰かを差別する」という意識が芽生えた時に始まった(ジプシーによるコンサートにて)」という言葉が印象的です。(中略) 時間があればディスカッションもしたかったです…!

 

●今回は今の若者が歴史や教育についてどのように考えているのかを知る機会にもなり大変勉強になりました。

 

●普段、教員の集まりはあっても、広く若い世代の声を聞く機会が少ないので、今日は本当に良い時間を共有できました。ありがとうございました。

 

●10代、20代の参加者が多いのに驚いたとともに、将来に希望がもてるなぁと思いました。一番印象に残ったことは、日本では自分の意見(批判意見)を持ち発言する教育がなされていないということ。

 

●ディスカッションがなくなり物足りなさが残った。1~2日置いて頭の中を整理してから第二セッションを持てればより議論が深まり収穫も倍増するのでは。

 

●この本を読むまではドイツの中だけの話だと思っていましたが、読了後は日本の外国人問題や広島・長崎の原爆や福島の原発危機の継承にもつながる内容でした。自分に無関係な話だとは思えず、読書会でも自分ごととして伺うことができました。 ドイツとポーランドという当時は全く正反対のイデオロギーで、歴史事実の解釈の異なる国で教科書対話が実現したというのは人類の希望になる内容でした。人は反対意見を無視したり、感情的に責めることがありますが、ドイツはそれを乗り越えてきたのだと感慨深かったです。反対意見があったときに上記のようにならないためには、まず日常的に議論をすること、議論をする場が開放的であることの重要性を確認しました。

 

●学生の皆さんそれぞれの視点から話を発展させていく形式が興味深かったです。文化的記憶に関して興味を持っていたのですが、ホロコーストの記憶の想起と忘却についてさらに知りたくなりました。また本日は8/9ということもあり、日本では共感によって受け継がれる傾向にある戦争の記憶を今後どう扱っていくべきなのかを考えさせられました。

 

●学校の案内でふと興味を持ち、今回の読書会に参加しました。著者である岡さんの発言はもちろんのこと、同学年である奥川さんの発言が大変印象に残っています。また、このような機会があれば、ぜひ参加したいと思っています。ありがとうございました。

 

●4人の学生の意見が素晴らしかったです。それぞれが問題意識を持ち、将来教師や研究者として、ドイツの歴史教育から学ぶという姿勢で深く考えられていますね。こういう若者がいることが希望です。岡さんの話は今後もじっくりお聞きしたいものです。またこういう企画を行ってくださるようお願いします。

 

●素晴らしい読書会でした。特に印象に残った点は、石岡さんが仰っていた「ドイツは、ナチの反省を踏まえて、人権尊重・民主主義に向かった。一方日本は、大日本帝国の反省を踏まえて、みんなで一緒に平和希求、という方向に向かった。」というコメントでした。非常に腑に落ちたと同時に、どちらも良い方向性のはずなのに、結果としてなぜ日本は過去への向き合いが足りないということになっているのだろうと考えさせられました。読書会内で質問させて頂いたのですが、いま大学3年生歴史学専攻の私は、来年度、「東西ドイツの統一に向けた外交努力と市民の努力」というテーマで卒論を書こうと思っており、準備をすすめているところです。『忘却に抵抗するドイツ』も必ず読ませて頂きますし、今後またイベントがあれば是非参加させて頂きたいです。どうぞよろしくお願い致します。昨日はありがとうございました。

 

●非常に中身の濃い内容であったと思います。4名の大学生の方もそれぞれ明確な問題意識を持ち、かつそれに行動も伴っていて、頼もしいなあと思った次第です。岡先生も大変丁寧に回答して頂き、ドイツの現状や日本との比較についても考えることが出来ました。ありがとうございました。

 

●ホロコーストを自分事として捉えることが大事で、考えた事を発信する。対話が大事。当たり前の事を疑う。自分の考えを持つ。という事を行っていかなくてはという言葉に共鳴しました。岡さんが最後におっしゃったホロコーストはいつ始まったかとの答えで、誰かを差別する時から始まったという言葉がいまにも繋がると、重い言葉と感じました。ありがとうございました。

 

●教員が副教材さえ自由に選択できない、日本の現状を変えないと、何も変わらないと思いました。

 

●昨日の講義は私に非常に意味のある時間でした。その理由は、一人のホロコーストを防ぐための最も重要な方法を知ることしてくれただけでなく、歴史を忘却しない場合はどうすべきか考えられるようにしてくれたからです。このような講義を準備してくださったことにもう一度感謝いたします。

 

●『忘却に抵抗するドイツ』が非常に良書で、現在日本の立場、自分自身の立場を考察する上で非常に有益な本でした。そして学生4名のディスカッションポイントも非常に考えさせられるものでした。そして石岡さんの「戦後日本の平和へ呼びかけ(運動)に対する考察」、私は平和という抽象的な言葉やイデオロギーに動かされていて個々の自分自身と平和との個別的具体的なかかわりやつながりを欠いて、同時に戦時下の人々の個々の苦しみや悲しみ、場合によっては喜びや生きがいへの同伴を欠いているというように理解させていただきました。

 

●大変興味深い内容でした。歴史教育の重要性が多くの方に理解されることを願っております。

 

●あの時間も良かったですが、それまでにたくさん考える時間を作れたこと、終わった後もいろんな方の意見や質問からさらに考えられたこともよかったなと思います。でもやっぱり、終わった後に参加している方々がどう感じたのか、どんな気持ちになったか、などということが見えないオンラインイベントは、終わった後もなんだかすっきりしないような感じが残るなあとも思っています。とはいえ、こんな機会は本当に初めてだったので、誘っていただきありがとうございました!!!

 

●今回の読書会を通して、同年代の大学生の方々が記憶の文化に対してどのような考え方を持っているのか知ることができて良かった。また、自分も実際にアウシュビッツを訪れたことがあるが、施設内に掲示されていた”Those who do not remember the past are condemned to repeat it.” という言葉が印象に残っている。そして、過去を学ぶためにはやはり「教育」というものがとても大切であると感じた。戦争は怖い、いけない、平和な世界にする、ということで終わらせるのではなく、もっと踏み込み、今を生きる自分達と重ね合わせ、議論し続けていくことが重要なのだと思った。

 

●学生の皆さんのそれぞれの関心に即した課題設定も、とても勉強になるもので、それに対する岡さん、石岡さんのご意見や参加者の方のメッセージも大変参考になりました。皆さんのやり取りから、深めていきたいと思えたことがたくさんありました。私自身、来年から高校の社会科教員になる予定で、歴史教育について考えていることがあったので、同じ世代の同じ課題意識を持った学生がこんなにいるんだということも知ることが出来て、勇気づけられました。まだまだ勉強不足でありますが、これからも学ばせていただきたいです。貴重な機会をありがとうございました。

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