記憶の文化を育む 第2回
2020年10月28日(水) 開催報告
学校でデモのやりかた教えちゃう!?
演劇で「市民」を育むドイツの取り組み
ドイツの連邦政治教育センターのアンネ・パッフェンホルツさんとペトラ・グリューネさんに、同センターの設立経緯やミッション、三年毎に開催される「政治演劇祭」についてご講演いただきました。政府の機関でありながら、政治的な中立を重んじ、ナチ時代の反省だけでなく、ヘイトスピーチ、経済格差など現代社会の問題解決のために「市民」の育成を目指して、様々な取り組みを展開する様子は興味深いものでした。歴史に真摯に向き合うドイツのありようは、日本でも「民主主義を学ぶ」ことの必要性を改めて感じさせられるものとなりました。後半は、日本の演劇界を代表するいずみ凜さん、大谷賢治郎さん、田辺素子さんにもコメントをいただきました。この講演の中にあった、民主主義を演劇で学ぶという方法論は、第5回の朗読劇での試みにつながりました。
\参加者アンケートより/
民主主義を守り続けることを国全体で真剣に考え、取り組んでいることを知り、感動しました。同時に、日本ではどうしていかなければならないか、どうありたいかを、真剣に考えていきたいと思うきっかけになりました。ありがとうございました。(30代)
面白かった❗️特に民主主義にも努力を続けなければいけない!というメッセージは、納得できた。さて私達に何ができるか?(70代)
以前子供が高校生の頃に、社会問題になった事件をもとにした演劇のプロジェクトに参加しました。この度お話を聞いて、改めて理解が深まりました。また、ドイツで育った子供やドイツ人と日本で育った子供と日本人との比較が面白く、腑に落ちる点が多々ありました。(50代)
bpb(ドイツの連邦政治教育センター)が国の管轄ではあるけれども政府与党の考えを代弁しなくて良いとのこと。日本での学術会議の任命拒否問題を思い起こしなんて羨ましい!なんてまとも!とため息。日々民主主義を強化してきた賜物なのでしょう。出来ることをしていきたいと思うのと同時にもっと多くの人に知って欲しい内容でした。素敵な企画をありがとうございました。それにしても堂々とデモのやり方を教えちゃうなんて!日本ではなかなか難しいでしょうがどこかに風穴があけられれば良いですね。(60代)
自分の関心とも合致していたこともあり、非常に聞きごたえのある発表だった。登壇者、通訳者ともにとても分かりやすい話し方だった。(40代)
ドイツの民主主義への取り組み、学校で日本でもやってほしいです。そして常に問い続けることが必要なんですね。演劇はその助けになるでしょう。最後の全員でのフリートークがもう少し長いといいなと思いました。(60代)
ドイツでの長く誠実な歩みに触れて感動しました。演劇祭、素敵ですね。参加してみたいです。ボイテルスバッハ・コンセンサスが学校教育だけでなく、家庭でも社会でも共有され実践されていることは素晴らしいと思いました。ナチの思想から痛手を負った国民が、自らの思想に変化をもたらすために多様な立場の方たちと様々なアプローチを開発してこられたことで今のドイツがあるのだと思いました。ドイツの取り組みに学んで、小さくても地域で活かすことができないだろうかと考えています。ドイツと比べて日本国民の政治への無関心などが取り上げられます。そのような日本でも地道に政治へ働きかけ、平和な社会を作ろうと努力されている方にもっと目を向けてみることが必要だと感じました。最後に、長時間の通訳お疲れさまでした。言葉も声も美しく、心地よくお話に集中することができました。ありがとうございました。(50代)
すばらしい企画でした。演劇が社会を変えていく可能性を感じました。いまこの国は民主主義が壊されているという危機感を感じています。だからこそ、民主主義の担い手だある主権者教育は大切だと思います。その核に演劇がなるのかもしれないと本気で思うことができました。日本から登壇された3人の方の覚悟も伝わってきました。たくさんの方を巻き込んで、ムーブメントを起こしていただきたいです。そして私たちも、楽しみながら参加したいです。(60代)
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