終了しました。ご報告はこちらからご覧ください。
NPO法人ホロコースト教育資料センター(Kokoro)平成27年度総会特別企画
出版記念トーク & スライド上映
みなさま、こんにちは! Kokoro代表・石岡史子です。
昨年から大学生たちとアウシュヴィッツなどを訪ねる
スタディツアーに同行しています。
ヨーロッパでは、戦後70年以上の年月を経て、
ますます多くのホロコーストの記念碑が、
今を生きる人の手によってつくられています。
街を歩くと、道端や公園の片隅で、現代アートと見間違うようなものまで、
様々な記念碑に出会います。
負の歴史に向き合うことは、悲しく苦しいけれど
「こんなふうに記憶することができるんだ」と
歩くたびに新しい発見がたくさん!
この度、べルリンとアムステルダムの二つの街に点在する
「記憶のカタチ」を一冊の本にまとめました。
6月26日(日)は、スライド写真で皆さんと一緒に「旅」をしながら、
本書をご紹介させていただきたいと思っています。
出版記念トーク&スライド上映
Holocaust Memory Walk
Berlin
訪れるたびに新しい発見がある街ベルリン。ホロコーストの記念碑も、戦後70年の年月がたち、今なお新しく作られています。そのカタチもさまざま。屋外アート?!と見間違いそうなものまで。
Amsterdam
幾重にも運河が連なる美しいアムステルダムの町並みを歩いてみると、「アンネの隠れ家」だけじゃない、様々な記念碑に出会います。
Auschwitz
大学生たちとのスタディツアー参加募集中です。この夏出発の旅はワルシャワ、アウシュヴィッツ、クラクフ、プラハ、ミュンヘン or ベルリンを旅します。Kokoro代表・石岡史子が同行します。
「ホロコーストの記憶」を歩く
過去をみつめ未来へ向かう旅ガイド
石岡史子・岡裕人著、子どもの未来社 発行
2016年6月 出版
定価:本体1200円(税別)
目次
Chapter1 アートで記憶する街ベルリンをめぐる 岡裕人
記憶の現場 / 空っぽの図書館 / 生への列車 死への列車 / グルーネヴァルト駅「17番線」
オットー・ヴァイト盲人作業所記念館 / 「安楽死」殺害犠牲者のための追悼と情報の地
虐殺されたシンティとロマのための記念碑 / 誰もいなくなった部屋 / 決して忘れてはならない恐怖の地
虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑 / ベルリン・ユダヤ博物館
Column ナチに抗った人びと ドイツ抵抗博物館 / 無言の英雄記念館
ベルリン・ブーフの強制不妊手術と「安楽死」殺害の犠牲者記念碑
シュテークリッツの鏡の壁
ヨーロッパに広がる「ホロコーストの記憶」プロジェクト つまずきの石
Essay 忘却に抵抗するドイツ 記憶をカタチにするベルリン 岡裕人
History of the Holocaust なぜホロコーストは起きたのか? 石岡史子
Chapter2 アンネ・フランクの足跡をたずねる 石岡史子
メリウェデ広場 / 隠れ家 / オランダ劇場 / アウシュヴィッツ収容所 / ベルゲン・ベルゼン収容所
Column アンネ生誕の地 フランクフルトを歩いてみれば
アムステルダムの街中で見つけた「ホロコーストの記憶」
Chapter3 海を越えて日本にたどりついた記憶にであう 石岡史子
ホロコースト記念館 / オットー・フランク愛用のタイプライター
アンネのバラの教会 / 平和のシンボル「アンネのバラ」
杉原千畝記念館 / 難民を救った「命のビザ」
人道の港 敦賀ムゼウム / 9000kmを旅した腕時計
NPO法人ホロコースト教育資料センター / 命を運ぶ「ハンナのかばん」
Column 助けられた命のメッセージ 日本まで逃げてきた難民たち
生きのびた少年ジョージ
Chapter4 私たちは今、「ホロコーストの記憶」から何を学ぶのか
著者対談 岡裕人・石岡史子
※特別寄稿 : 「グローバル化する世界で未来の責任を果たすためにアウシュヴィッツがある」 中谷剛
➤著者プロフィール
・石岡史子 Fumiko Ishioka
NPO法人ホロコースト教育資料センター(Kokoro)代表。世界40カ国で翻訳されている『ハンナのかばん』(ポプラ社)の登場人物・訳者。命を尊ぶ、寛容な心を育むことを目的とした教育プログラム「ハンナのかばん」「アンネ・フランク」「杉原千畝」等を制作し、年間100の学校や自治体で授業を行う。カナダ・ヨーク大学より名誉博士号、米国・ワシントン大学より特別功労賞を授与。共訳書に『なぜ、おきたのか? - ホロコーストのはなし』(岩崎書店)等。愛知教育大学非常勤講師。
・岡裕人 Hiroto Oka
一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。89年渡独し、コンスタンツ大学大学院歴史学科で博士号取得。ベルリンの壁崩壊を見聞し、以後変革するドイツで歴史研究と教育に携わってきた。現在フランクフルト日本人国際学校事務局長、在フランクフルト。著書に『忘却に抵抗するドイツ - 歴史教育から「記憶の文化」へ』(大月書店)、『シュテューリンゲン方伯領の農民戦争とその前史』(博士論文)、共著に『世界の歴史教育』(ゲオルク・エッカート研究所編)(以上2冊独語)等。
開催のご報告
90名近くの方にご参加いただきました。有り難うございます。
「とても素敵な会でしたし、想いが伝わると共に心にのこる取り組みでした。改めて仕事の合間に読んでいますが、私には一項毎がとても読みやすく、かつ丁寧で重みのある内容で、同じページを読み返ししています。町の図書館にも蔵書として提案しています。」
「大変貴重なお話を伺うことができてありがたかったです。スライドとともに解説していただいたので、とても分かりやすかったです。現代の日本の状況、ヨーロッパ、アメリカの状況も立ち止まってよく考えなくてはいけないと改めて感じました。」
「ドイツの人たちの苦悩と努力、知恵が生み出した「記憶をカタチに残す」を知り、私たちももっと何かできそうな気がしました。人は、耳で聞いても、時間の経過で忘れるものですが、日常生活の中で、折に触れて思い出し、記憶を蘇らせみがらせる努力…必要だと強く感じました。その工夫には、市民、芸術家、学校、行政の力が」
「今日のお話の中での言葉が心に残りました。過去を大事にして未来を見ている。私たちはどんな社会に生きたいのか、を考える。スライドと地図を見ながらのガイド、とてもよかったです。美しいヨーロッパの街並みの中に置かれている「記念のカタチ」しかも負の記憶につながるもの。。。」
「数多くの記憶のカタチ、今はそこで遊ぶ子どもも、ベンチに座るお年寄りも、ペットと散歩する人も、普通に生活している。70数年前はどうだったのか? 足元のつまずきの石には、ここに住んでいた人の名前と連行され殺された日付けが彫り込まれている。電信柱にはネコの絵の看板、その下には「ユダヤ人はあら ゆるペットを飼ってはいけない。1942年2月15日」
何気ない日常の中で、過去の記憶を呼び起こされることで今を考える。未来もあんなことがあってはならない!」