この度、NPO法人ホロコースト教育資料センターでは、12月8日(金)に劇場公開される映画『否定と肯定』の先行上映会を開催します。
「ホロコーストの大量虐殺はなかった」と言うイギリスの歴史家に、名誉棄損で訴えられたアメリカのユダヤ人教授デボラ・E・リップシュタット。本作は、2000年にロンドンで実際に起きた法廷対決がテーマです。原作者であるリップシュタット教授をアメリカのエモリー大学よりお迎えして、上映後には憲法学者の木村草太氏との対談を行います。
歴史とは、そして言論の自由の定義とは何なのかを、本作品は私たち一人ひとりに問いかけています。誤った情報や歴史を軽視する言動が簡単に拡散され、ときに強い影響力をも持ってしまう現代社会において、史実を伝えていくことの大切さを皆さまと共に考える機会になればと願っています。
日時 2017年10月26日(木) 午後6時開演 (午後5時30分開場)
会場 神楽座
東京都千代田区富士見2-13-12 KADOKAWA富士見ビル1F
JR中央線「飯田橋」駅より徒歩約3分
プログラム
登壇者
応募方法
※当選者の発表は試写状の発送をもってかえさせていただきます。
※試写状は10/18(水)以降に株式会社ツインよりお届けします。
当日ご持参ください。
主催 NPO法人ホロコースト教育資料センター
後援 イスラエル大使館、ドイツ連邦共和国大使館
協力 株式会社ツイン、有限会社樂舎
デボラ・E・リップシュタット氏(米国エモリー大学)
米国アトランタのエモリー大学教授。現代ユダヤとホロコーストについて教鞭を執る。HDOT [Holocaust Denial on Trial /www.hdot.org]というウェブサイトを立ち上げ、映画『否定と肯定』の題材となった、アーヴィング対ペンギン出版・リップシュタット裁判の記録を掲載している。さらに否定論者から頻繁に寄せられる主張への回答も掲載している。サイトの一部はアラビア語、ペルシア語、ロシア語、トルコ語に翻訳されており、イラン国内からも頻繁に閲覧されている。リップシュタットは、卒業生たちによって選出される最も影響を受けた教員として、エモリー大学の栄誉あるエモリー・ウィリアムズ教員賞を贈られた。
木村 草太氏
憲法学者
司会進行 石岡 史子
NPO法人ホロコースト教育資料センター代表
1. 上映 『否定と肯定』(110分)
2. 対談 デボラ・E・リップシュタット氏と木村草太氏(30分予定)
お申込は締め切らせていただきました。
たくさんのご応募ありがとうございました。
12月8日(金) TOHOシネマズ シャンテ 他全国ロードショー
Story
1994年、アメリカのジョージア州アトランタにあるエモリー大学でユダヤ人女性の歴史学者デボラ・E・リップシュタット(レイチェル・ワイズ)の講演が行われていた。彼女は自著「ホロコーストの真実」でイギリスの歴史家デイヴィッド・アーヴィングが訴える大量虐殺はなかったとする”ホロコースト否定論“の主張を看過できず、真っ向から否定していた。
ある日、アーヴィングはリップシュタットの講演に突如乗り込んだ挙句に、名誉毀損で提訴という行動に出る。異例の法廷対決を行うことになり、訴えられた側に立証責任がある英国の司法制度で戦う中でリップシュタットは〝ホロコースト否定論“を崩す必要があった。彼女のために、英国人による大弁護団が組織され、アウシュビッツの現地調査に繰り出すなど、歴史の真実の追求が始まった。そして2000年1月、多くのマスコミが注目する中、王立裁判所で裁判が始まる。このかつてない歴史的裁判の行方は―。
監督:ミック・ジャクソン
出演:レイチェル・ワイズ、トム・ウィルキンソン
2016年/イギリス・アメリカ/110分/英語/
原題:DENIAL/日本語字幕/寺尾次郎
© DENIAL FILM, LLC AND BRITISH BROADCASTING CORPORATION 2016
関連図書のご案内
『否定と肯定 ホロコーストの真実をめぐる闘い』
デボラ・E・リップシュタット=著 山本やよい=訳
「ホロコースト否定論者」を非難した教授が名誉毀損で訴えられた。はたして「ホロコーストが実在した」ことは証明できるのか――。声高な主張が正義となる恐怖が、現代に警鐘を鳴らす!実在の歴史的法裁判の回顧録。映画『否定と肯定』原作。
11月17日発売 ハーパーコリンズ・ジャパン
開催のご報告
ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。
「私たちは、車やスマホを買うのと同じように、
情報に対しても吟味する消費者であるべき。」
身近な例を用いたリップシュタット氏のお話は明快でわかりやすく、
もっとお話を聞きたかったというお声をたくさんいただきました。
「いま日本で生きるすべての人に無関係ではない映画。ぜひこの機会に観ていただき、リップシュタット先生
の本をみんなで買ってベストセラーにして、真実との
闘いに勝ち抜きたい。」
憲法学者の木村草太氏からの力強いコメントにも、
会場は盛り上がりました。
アンケートにお寄せいただいた
感想を一部ご紹介します
「表現の自由」と「表現について説明する責任からは逃れられない」という言葉が印象的でした。また、「否定できない事実がある」という言葉からその”事実”を学んでいく責任が私たちにはあるのかなと思いました。(20代)
インターネットやメディアが普及し力を持つ時代だからこそ、私たち(情報を受け取る方)も精査する力をつけなければならないと思いました。(20代)
表現の自由の重要性はもちろん理解できるが、その”曖昧さ”がこわいと思った。(20代)
日本も決して他人事ではない今のこの時代に多くの人に観て欲しい作品だと感じました。(20代)
歴史はそれを語る人によって真実を隠してしまうことがあるということを改めて思わされました。それは不都合な真実が存在しているときによく使われます。今もその流れは変わっていません。(40代)
大量の資料から何を読み取るのかを、学校教育でもっと取り入れて判断できる力を育てていかないといけないと感じました。(40代)
史実を捻じ曲げたとんでもない主張でも、声高にまくし立てることで拍手と笑いをもって聴衆に受け入れられてしまうことに恐ろしさを感じた。裁判のためとはいえ、アウシュビッツの地で主人公と弁護士がホロコーストの有無についてやりとりしなければならなかったシーンは、あまりに悲しかった (40代)
こんな情勢だからこそ、レイシストが街にあふれている今の日本だからこそ、正義と真実が求められている。(60代)
メディアリテラシーの一貫として、本当に一人でも多くの人に観てほしい。